fumimaro40’s diary

fumimaroはふつうの事務員。感じたままを。

釜リゾット

釜飯の釜で炊くリゾットに夢中だ。

イタリアンな小さなバーといった感じの造りで、ホームページを見る限り、アルコールを飲めない私にはアウェイな店だった。場所も駅近なのに、ひっそりとしているもんだから、通り過ぎてしまったりする。

ドアも小さい。入ってすぐカウンターとお酒が目に入り、否応無しに緊張した。カウンターにはマスター、いかにもバーテンダーという感じではなく、物腰静かなベテラン美容師といった印象を受けた。見惚れる、まではいかないが少し立ち止まっていると、奥のテーブルに案内された。奥、と言っても入り口から全てが見渡せてしまうけど。

カウンターが見える位置に座った。ここも店内全てが見渡せる。あれ?イタリアンなバーはどこへ行ってしまったのだろう、よく小料理屋や居酒屋で見られる、小上がり席があるではないか。おもしろーい、声に出していた。途端に落ち着いてしまった私は、この先もお洒落なカウンターバーには行けないと悟ったのである。

さて、何を食べようか。当然釜リゾットであろうが、その前に…。先ずは飲み物。ブラッドオレンジスカッシュを注文し、メニューと会話する。本日のおすすめ黒板に目が釘付けだ。ピーマンのピザとフレッシュサラダをお願いした。和を感じさせる舟形の陶器に、白菜とフリルレタスにスプラウトのサラダは、緑と白がとても美しかった。白菜を生で食べたのは初めてだし、ドレッシングも好きな爽やかフレンチだったので夢中で平らげた。ピザ?ピーマンがなんとも美味しい。手のひら程の生きじに、四つ切りが満遍なく敷かれ、一気に焼いたのであろう、やや薄皮が剥がれる程度に焦げ目が付いている。ここで、釜リゾットを注文だ。黒胡椒の効いた大人のリゾットを。

そう、私は大人になりたいのである。バーのカウンターでグラスを光にかざす大人の女性が頭をよぎった、一瞬だけど。すぐさま無理と搔き消す。

ピーマンに酔いしれ、スカッシュを飲み干すと、現れましたよお釜。急いで全体を混ぜ、プレーンで食す。見事にアルデンテのリゾットである。オリーブオイルをふた回し、バルサミコをひと回し、いずれも香り高く美味しいけど、一番好きなのはオリーブオイルをふた回し半、に決定した。

楽しい時間はどうして早く過ぎてしまうのだろう。気付くともうご飯が無い。一粒も残っていないお釜が、とても寂しく見えた。きっとまた来るからね、とご馳走さまをしたのであった。

次回はトリュフ入りだ。