fumimaro40’s diary

fumimaroはふつうの事務員。感じたままを。

どうしても美容室

今日も彼は優しく出迎えてくれた。

ドアを開けて店内へ誘う。

いつまでたっても慣れない。緊張のあまり、大汗をかいてしまう。仕事とはいえ、他人の汗なんて気持ちのいいものではなく、不快に思われていると考えると、また落ち着かなくなる。

みんな、美容室ではどう過ごしているのだろう。友達みたいにすごく盛り上がっていたり、仕事や家庭のグチを聞いてもらったり。

誰もが満足しているように見える。メニューやスタイルのカウンセリングを受けている姿は、とてもしあわせそうだ。

私は、そんなお客様達をいつも羨ましく思う。自分の気持ちを上手く伝えられないからだ。彼らの話に調子よく合わせる。プライベートをさらけ出すかのように。

彼らのご機嫌さえ伺う始末だ。

そう、私はいいお客様でいたいのである。

仕事やプライベートとは全く関わりの無い、その場所で、気分をリセットしたいから。

違う世界が欲しいから。

その為なら、営業っぽい会話もする。お金を払う上にそんなことまでするなんて、ナンセンスだと言う友達もいる。確かに、出会った頃は、それでそれなりに、いい時間を過ごしていたと思う。

今はどうだろう。

主張すると、ワガママなお客と思われるんじゃないかと不安。だから常に受け身。こんな髪型にしたい、と具体的に伝えているお客様を結構見かけるが、私はイメージしか言えない。すると、失敗を恐れるのか、なかなかスタイルチェンジの提案はしてくれない。何年もほとんど同じスタイルで過ごしている。それはそれで、私のイメージに合った髪型なのだから、文句は無いはず。彼も自信を持ってこのスタイルにしている、と。

要は、物足りなくなってきた、ということだろう。お店にも、美容師さんにも。つまらなくなってしまったとも思う。

そこに特別な意味を持たせようとした私自身に問題があるのかもしれない。

大好きな美容室を嫌いにならないよう、探し始めている、新しい出会いを。